ファシリテーター養成講座(課題発見1)受講報告

概要

SEEDx 地域未来塾 ファシリテーター養成講座(第一回)に参加しました。今回は課題発見というテーマで、ロール分析マップとカスタマージャーニーマップという2つのワークを体験。以下に報告します。

  • 日時:2013年2月10日(日) 10:00〜17:30
  • 場所:千駄ヶ谷コモンズ
  • 内容:課題発見1
  • 講師:三澤 直加氏(エクスペリエンスデザイナー)

   

SEEDx 地域未来塾とは

SEEDx 地域未来塾は、ネットとリアルの両方でコミュニティをつくり、社会や地域を良くするビジネスが芽生える環境をコミュニティ全体で生み出すプロジェクトです。(SEEDx 地域未来塾)

内閣府「復興支援型地域社会創造事業」に選定されています。

ファシリテーター養成講座とは

採択された社会起業家プランの実現のために、多くの人々の共感と応援を引き出すための「場づくり」を実現するファシリテーターを養成します。(募集要項より)

合計8日間の講座で、課題解決(課題発見、ビジョン形成、アイデア創発、ブラッシュアップ)のメソッドを学んでいきます。

No 講座 カリキュラム
1 課題発見1 課題発見
2 イデア創発1 テーマ設定、アイデア発散、収束、アイデア強化の流れ
3 イデア創発2 地域の既存産業から新しい事業イデア発想
4 課題発見2 フィールドワークによる課題発見
5 見える化による合意形成 視覚会議によるビジョン・論点の合意形成手法
6 見える化によるアイデア創発 視覚会議による解決策立案プロセス
7 フィールドワークとアイデア強化 福島県会津地区での課題発見フィールドワーク
8 ビジネスモデル ビジネスモデルキャンバスとピクト図によるビジネスモデルの分析と評価手法

課題発見

今回は「課題発見(その1)」。以下について学びました。

  • 課題発見のアプローチの概要
  • 【ワーク】ロール分析マップ
  • 【ワーク】カスタマージャーニーマップ

以下に、2つのワークについて紹介します。

【ワーク】ロール分析マップ

ロール分析マップは、モノ、ロール、カルチャーの3つのレイヤで考えることで、テーマ(検討すべき課題)を見つけるツール。下記のステップで分析します。

  1. モノ(分析対象の製品やサービス)を中心に置く
  2. ロール(モノの役割や機能性)をモノの外側に挙げる
  3. カルチャー(ロールの時代背景)をロールの外側に挙げる
  4. 面白そうなロール、カルチャーから、テーマ(検討すべき課題)を考える

いわゆる問題解決ではなく、既存の製品やサービスを対象に、新たな価値(創出のための検討課題)を見出します。

「モノ-ロール-カルチャー」というフレーム(制約)で、テーマ(課題)が見つけやすい

⇒ 既存の価値を超えて、新しい意味を発見できる

お題:「バス停」

ワークでは「バス停」を題材に、テーマ(検討すべき課題)を見つけました。
「ロール」の検討段階では既知の機能しか抽出できませんでしたが、「カルチャー」を考える際に少し混乱が起こって「ロール」に見直しが入り面白そうな機能が登場してきました。興味深いテーマを導くには、直接関係のない、面白そうなロールと面白そうなカルチャーを組み合わせると意外性がでて良いと感じました。

【ワーク】カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップは顧客のサービス利用の旅(ジャーニー)を可視化するツール。顧客の“経験”をスケッチできます。顧客の行動と感情を時系列に並べていき、顧客との重要なタッチポイント(接点)を探ります。

「誰が、いつ、どんな体験を、どう感じているか」を時系列に可視化する

⇒ 感情に注目することで、改良点が可視化される

お題:「美容院」または「飲食店」の良い経験

各グループで各自の良い経験をヒアリングし、ひとつを選択してジャーニーマップを作成しました。
私たちのグループは、私の経験(参鶏湯の美味しいお店「鳥一代」)を選択してワークを実施しました。私の鳥一代の体験と感情が可視化され、私と店長さんとの重要なタッチポイント(接点)が明らかになりましたw。思わぬ副作用は、ワークを実施したメンバーだけでなく発表を聞いた他グループの人達も「鳥一代にいってみたい」との反応。近いうちにみんなで鳥一代に(フィールドワークに?)行くことになりそうです(笑)。

となりのグループは美容院について興味深いジャーニーマップを作成していました。

所感

今回、ロール分析マップとカスタマージャーニーマップという2つの課題発見ツールをワークしました。どちらも初めてだったので実施するので精一杯でしたが、非常に強力なツールであることは十分に理解できました。
感性で新しいアイデア(課題)を見つける作業になるので、グループワークで進めていくのが非常に有効だと改めて感じました。一人だとある程度で思考が止まってしまうところが、他の人の意見を聞くことで触発されてさらにアイデアが深まることを感じました。さらに研修参加メンバーの意識の高さ(前向きな姿勢)も影響していると思います。

ワーク後の振り返りでは、ワークを実施してみての気づきをシェアするとともに、自分たちがワークを進行するにはどうすれば良いかの意見が交わされました。
今回はツールを覚えたに過ぎません。ファシリテーションするにはもっと練習が必要です。今回の養成講座の受講メンバーで集まって練習したり、会社に持ち帰って同僚にワークをやってもらうなど試してみたいです。

非常にやり甲斐のある講座を提供いただいたSEEDx地域未来塾の皆様、講師陣の皆様、受講メンバーの皆さん、ありがとうございます!残りを含め、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。