【読書メモ】『バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る』

日本語版刊行!

『ビジネスモデル・ジェネレーション』の続編である『Value Proposition Design』の日本語版が出版されました!

バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る

バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る

目次

  1. Canvas(キャンバス)
  2. Design(デザイン)
  3. Test(テスト)
  4. Evolve(進化する)

価値創造キャンバス(Value Proposition Canvas

バリュープロポジションキャンバスの特徴は、顧客のなすべき要件(Jobs to be done)に着目し、Pain(困りごとや課題)とGain(ベネフィット、嬉しいこと)を知ることで、顧客ニーズに合致した価値提案が出来ることです。顧客が製品やサービスを選択する理由が明確になるのでマーケティングツールとしても秀逸です。

実はバリュープロポジションキャンバス(Value Proposition Canvas)は共著者のAlex Osterwalder氏が自身のブログで2012年1月に紹介しています。しかも、それ以前はカスタマーバリューマップ(Customer Value Map)という名称で、すでにビジネスモデルキャンバス(Business Model Canvas)の顧客セグメント(CS)とバリュープロポジション(VP)を補完するものとしてワークショップでも使われていました。このため、すでに何度か体験していました。

この本『バリュー・プロポジション・デザイン』は、単にバリュープロポジションキャンバスの解説にとどまらず、デザイン思考、顧客開発、リーンスタートアップなどを取り込んで、顧客を理解するテクニックを含めた価値提案のためのデザインや、構築・測定・学習の仮説検証サイクルで学習しながらアジャイルに価値を創造する方法について言及しています。またバリュープロポジションとビジネスの進化(グロースハック)のヒントも含まれています。

バリュープロポジションキャンバスを単純に利用すると、安直な(例えば顧客が嫌なものはただ減らそう、嬉しいものはただ増やそうといような)課題解決になってしまいがちですが、この本で示される繰り返し仮説検証する学習サイクルで解決できそうです。

お奨め

顧客ニーズに合致する価値提案を設計しビジネスとして成功するためのヒントがたくさんあります。以下に該当する方、ぜひ読んでみてください。

  • 顧客が欲しがる製品やサービスを創りたいすべての人
  • 新しい技術を、売れる製品やサービスにしたいエンジニア
  • ビジネスと価値提案について学びたいエンジニア
お奨めポイント

ざっくり目を通してみてのお奨めポイントを挙げておきます。

  • 統合されたツール(環境マップ←ビジネスモデルキャンバス→バリュープロポジションキャンバス)
  • 3段階の合致(顧客、市場、ビジネスモデル)
  • バリュープロポジションキャンバス作成時の「重要度で順位付け」
  • 仮説検証を行うための「実験カード」と検証結果から学ぶための「学習カード」
  • 英語と日本語の併記(原書の用語が残っているのが嬉しい)
  • イラスト(分かりやすくイメージしやすい)
  • ビジネスモデルキャンバスとの併用

参考文献&リンク

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ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

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