ファシリテーター養成講座(アイデア創発1)受講報告

SEEDx 地域未来塾 ファシリテータ養成講座(第二回)に参加しました。今回は「アイデア創発」というテーマでアイデア発想のプロセスを学び、それぞれのフェーズをワークで体験しました。以下に報告します。

  • 日時:2013年2月16日(土) 10:00〜18:00、懇親会&ワーク:18:00〜21:00
  • 場所:千駄ヶ谷コモンズ
  • 内容:アイデア創発1
  • 講師:石井力重氏(アイデアプラント)

 

イデアワークの基本プロセス

イデア創造には4つのフェーズ(工程)があるとのこと。アイデアの出し方ばかりに注目が集まりますが、事前準備や事後にもやることがあります。

4つのフェーズ
# フェーズ(工程) 別名 注釈
1 テーマ設定 設定する イデア発想のテーマとして「問いをたてる」
2 イデア創出 拡げる ひたすら「アイデアを出す」
3 良案抽出 絞る イデアを絞り込んで「具体化する」
4 イデア強化 強化する 褒めて、批判し、対策を考えて、使えるアイデアに「磨く」
フェーズ1. テーマ設定(設定する)

「アイデアワークの正否の8割は、テーマ設定の良し悪しに依る」(石井力重氏)

良いテーマがアイデアの推進力になります。「良いテーマ設定のコツ」は以下の5つ。

# テーマ設定のコツ 内容 注釈
1 1つ化 問題を1つにする 考えるのは一度にひとつ?
2 制限 範囲を制限する(狭める) 限定すると窮屈さから案が出やすくなる
3 テーマ定型文 「〜するには、どうすればいいか?」*1

「今より2割増やすには」(120%課題)*2

ひらめくには「問い」が重要
4 オーナーシップ 「それは本当に我々の問題か?」 自分たちの所有する問題にする
5 下に引く力分析 「何があなたを制止するのか?」 ブレーキの真因を見つける

「テーマ設定ワーク」で各自が3枚以上取り組みたいテーマを書き、ハイライト法で良案を選択。最後は上位で多数決して「テーマ」を決定しました。

【テーマ】「(有料・無料の)勉強会/セミナーの直前キャンセルを減らすにはどうしたら良いか?」*3


発想テーマ集とアイデアスケッチ集は後述のリンクから参照して下さい。

フェーズ2. アイデア創出(拡げる)

ここではアイデアをひたすら出して数を確保します。最初はありがちなアイデアしか出ないことが多いので、たくさん出すことで良案にたどり着くことを目指します。
「スピードストーミング」「アイデアスケッチ」のワークでアイデアを出しました。

フェーズ3. 良案抽出(絞る)

「アイデア・レビュー」で上位のアイデアを絞り込む。
「発展ブレスト」でアイデアを具体化しました。

フェーズ4. アイデア強化(強化する)

「PPCO」(褒める→批判する→対策する)でアイデアを強化する。
「PPCO」プロセス(「PP」の褒めるブレスト、「C」の批判するブレスト、「O」の対応策ブレスト)を実施。アイデアを洗練させました。

ワーク

実施したワークの一覧

初日に行ったワークは以下のものです。

ワーク 適用フェーズ 内容
テーマ設定ワーク 【設定する】 コツを利用してテーマを設定する*4
スピードストーミング 【拡げる】 5分交代のペアブレストでアイデアが成長
イデアスケッチ 【拡げる】 イデアを書く
ハイライト法 【絞る】 良案を抽出する(人気投票で短時間に良案を見つける)
トップアイデアのレビュー 【絞る】 上位案をレビュー。関心の高いアイデアについて議論できる
発展ブレスト 【絞る】 絞り込んだ上位のアイデアを具体化させる
PPCOプロセス 【強化する】 イデアを強化する
PPCOプロセス
工程 別名 内容
PP=プラス・ポテンシャル 【褒めるブレスト】 潜在可能性をたくさん引き出す
C=コンサーン 【批判ブレスト】 懸念点を挙げて、重要課題を見出す
O=オーバーカム 【対策案ブレスト】 上位の懸念点打破に集中する

学びの活〆め

講義やワークが一区切りするたびに「学びの活〆め」*5という振り返りを行いました。
各自が黙って振り返り、以下を書き出します。

  • 学びを削って重要な3つを書き出す。(2分)
  • これの学びはどんな場面で使えるか?(2分)

そして、グループ内のメンバー間でシェアします。

  • 「俺はこう思った。。。」(5分)

漫然と振り返るのではなく(自分にとって)大事な学びを3つに絞ること。メンバー間でシェアする(声に出して伝える&他のメンバーの学びを聞く)こと。
こうすることで記憶の定着率向上が期待できそうです。

用語集

用語 意味
イデアメーション 最初のいくつかの案は、他の人も同じ”退屈な案”になりやすい(=表層のアイデア
プレイズファースト 良い点をみつけて”褒める”こと。

所感

初日に大事だと思ったことを挙げておきます。

  • 良いアイデアは良いテーマ設定から!(テーマ設定重要!)
  • そのテーマは、相手にとって自分ごとになっているか?(オーナーシップ)
  • 実現を抑止する力の原因を突き詰めて対応すると、ドミノ倒しみたいに解決できる
  • 最初は恥ずかしくても案を出していくこと(アイデアメーションを乗り越える)
  • 出し尽くして、苦しい状態までくると、そこは「創造性のおいしいゾーン」!
  • 「プレイズファースト」はアイデア出しの潤滑油!うなずきと合わせて活用すべし!
  • ブレストは全体で30分以内に収めるとよい
  • 振り返りはこまめに。ポイントを3つに絞り、メンバーでシェアする(鉄は熱いうちに!)
懇親会

夜はお酒を飲みながらサンスター文具のコンテスト向けのアイデア出しをしたのでしたw

(次回に続く)

*1:この定型文は問題解決型向けですが、アイデア創造の90%は問題解決型とのこと。

*2:このように「120%課題」の表現を加えるとテーマを具体的にできるとのこと。

*3:実はこのテーマは私が挙げたものでした。丁度、DevLOVEコミュニティで話題になり、どうしたら良いのか考え中だったからです。

*4:今回のワークでは最初の3つのコツ(1つ化、制限、テーマ定型文)を学んだところでワークを実施しました。

*5:記憶の鮮明なうちに学んだことを整理しておくということで”学びの活〆め”なのだそうです。なんだか活きが良さそうですね(^^)。