ファシリテーター養成講座(アイデア創発2)受講報告

前回に引き続き、SEEDx 地域未来塾 ファシリテータ養成講座(第三回)の参加報告です。今回はさまざまなツールを使ってアイデア発想を体験しました。

ブレスト4つのルール

効果的にブレストするための4つのルール。いつでも創造的な力を発揮できるための「創造のガイドレール」としても利用できるそうです。

# ルール 内容 注釈
1 判断を先に延ばす お蕎麦「熱湯と冷水」モデル

成長のエンジンvs批判のエンジン

十分に発想してから批判モードに(発散→収束)。

アクセルとブレーキを一緒に踏まない!

2 未成熟な案を育てる 「闇夜の陸地探し」 ”突飛なアイデア”で既知の周辺から脱出する
3 量を求める 「量が質を生む」

思いついたら「外に出す」(書く、言う)

”量は質に転化する”
4 既出の案を発展させる 「バルーンを登っていく」モデル ”乗っかりアイデア”で発展させる

ワーク

イデアを発想するためのツールを学び、ワークを実施しました。

ツール 目的 内容
イデアトランプ 発想力の準備運動 イデア発想ゲーム
エクスカージョン ノート1つで100以上発想する方法 土地、動物、連想ゲーム
ブレインライティング 書くブレスト 全員が平等に意見を出す機会
531ストレンジ 既存事業の前提を1つ削ってずらす 最重要な要件を捨てることで前提が崩れるため

突飛なアイデアが出ざるを得ない

イデアトランプ

イデアトランプは、トランプに書かれたヒントから案を出すものです。オズボーンのチェックリストのように視点を変えるためのヒントが書かれています*1
各テーブルごとにテーマを選択して、山にしたトランプからひとりずつ取ってヒントに合わせて案を出していきました。Gameは2回。Game1は普通にアイデアトランプを使って実施。Game2はアイデアトランプに「Brainstorming Card」*2を追加して、同様にアイデア出しを実施しました。

  • Game1:テーマ「部屋をいつもきれいな状態にしておくには?」
  • Game2:テーマ「朝早く起きるにはどうすればいいか?」


エクスカージョン

「たくさんの引き出しを、開ける」。「○○縛り」*3でどんどんアイデアを出します。
ワークでは、9マスのマンダラートを(3×3で)9個配置したシートを使い「場所縛り」で「地元の新しいお土産商品を発想する」アイデア出しを行いました。

ブレインライティング(書くブレスト)

ブレインライティングは発言ではなく紙に案を書くブレストです。テーマに対して、各メンバーがアイデアを書き、シートを回しながらアイデアを出していきます。メンバーの声の大小に関わらず、全員の意見を平等に聞く(見る)ことができます。また、(いきなり否定されることがないので)突飛なアイデアが出やすく、(他のアイデアを見ながら書けるので)他の人のアイデアをヒントにしたアイデアが出やすいメリットがあります。
ワークは、某文具メーカーのコンテスト(テーマはたいせつ)の新しい文具のアイデア出しを行いましたw。

531ストレンジ

「前提を打ち壊したアイデア」。テーマとする事業の、(1)基本要件を5つ挙げ、(2)上位3つを順位付けし、(3)トップ1位を取り除き、(4)その状況で事業モデルを検討するものです。変化のある産業よりも、熟成産業(で変化を見出すこと)に向いているそうです。
ワークは「新聞配達」をテーマに実施しました。

その他

「20%化」:優秀案(15%)+イノベーションの芽となる案(ダークホース)(5%)
  • ハイライト法での注意:革新的なアイデアのために、上位の優秀案だけでなく、ダークホース案も含める

謝辞

2日間で「アイデア創発」の楽しさを存分に体験することが出来ました。

設定する 拡げる 絞る 強化する
「問い」が大切 批判厳禁で発想する 徹底的に批判する 良いアイデアを磨く

講師の石井力重氏、スタッフの皆さん、参加者の皆さん、楽しく有意義な学びの機会を有難うございました。

参考文献

関連書籍

今回のアイデア発想ツールはこちらの本に詳しく解説されているそうです。

アイデア・スイッチ 次々と発想を生み出す装置

アイデア・スイッチ 次々と発想を生み出す装置

*1:例えば「なにかを混ぜる」とか「向きを逆にする」など

*2:ブレスト4つのルールをゲームの役にしたもの。指示は「誰かのアイデアを褒める」、「突飛なアイデア」、「平凡なアイデアを2つ」、「誰かのアイデアをヒントにしてアイデアを出す」

*3:エクスカージョンで使える「○○縛り」は、場所、動物、職業の3種類が使えるそうです